今回は、福島県福島市の飯坂温泉にある「宿・あたご屋」に宿泊しました。
飯坂温泉は、鳴子温泉、秋保温泉とともに「奥州三名湯」と呼ばれ、古くから親しまれてきました。松尾芭蕉や与謝野晶子、ヘレンケラーも訪れたそうです。
「宿・あたご屋」は、平成31年3月にオープンした素泊まりの旅館。全5室で、ご夫婦で営まれています。
「宿・あたご屋」への行き方
電車で行く場合 福島駅から飯坂電車で♪
JR福島駅で福島交通飯坂線に乗り換えます。
改札は自動ではありません。切符を買ったら、出発駅の改札はそのまま通り、到着駅の改札で駅員さんに切符を渡します。
同じホームに阿武隈急行線(宮城県丸森町方面に行く電車)の乗り場もあります。
福島交通飯坂線の電車が到着。「いい電」という愛称で親しまれています。
温泉に向かう感があふれる車内。
福島駅から終点の飯坂温泉駅までは、約25分。飯坂温泉駅から「宿・あたご屋」までは徒歩で約5分。
飯坂温泉駅の隣にはコンビニ(ファミマ)があり、便利です。
飯坂温泉駅から「宿・あたご屋」まで、レトロな風景
飯坂温泉の街並み。摺上(すりかみ)川沿いに旅館が建ち並んでいます。
川にかかっている橋は「十綱橋(とつなばし)」。大正4年に建設された鋼製のアーチ橋で、令和2年に国登録有形文化財に認定されています。
十綱橋を渡り(歩道の幅が狭いのでちょっと注意)、左折して進むと、右手に「宿・あたご屋」があります。
橋の上から見た景色。真ん中にあるのは共同浴場の「波来湯(はこゆ)」。飯坂温泉には9つの共同浴場があります。
昭和40年代には観光客でとてもにぎわっていたという飯坂温泉。今は廃墟となった旅館がいくつかあり、ちょっと寂しい…
車で行く場合
東北自動車道の福島飯坂ICを下り、国道13号を米沢方面に向かいます。踏切のある交差点を右折して、県道3号線を道なりに走ります。
飯坂温泉駅の前を通過して、十綱橋を渡ったところで左折して進むと、右手に見えてきます。駐車場は旅館の前にあります。
「宿・あたご屋」の外観
外壁は黄土色で、きれいに改装されたようです。間口は狭めで、奥に長くなっています。
石灯籠の横の階段を昇ると、入り口があります。その前には、宿のシンボル「不動の巌」(パワースポットらしい)と手湯がありました。
ちなみに、夜の外観はこんな感じ。この日は土曜日で、私たちのほかに2組が宿泊していたようです。滞在中、他のお客さんと会うことはほとんどありませんでした。
「宿・あたご屋」の館内
広々として快適♪大きな生花が飾られていました
玄関から見た館内。カウンターでチェックイン。15時からです。宿帳に記入し、鍵をもらいます。料金はチェックイン時に支払います。クレジットカード利用可。
ご主人に案内され、階段を昇ります。
ロビーにはとても大きな生け花がありました。美しく、おもてなしの心が感じられます。
階段を昇る途中にある、宿について書かれたもの。ご夫婦のどちらかが書かれたんですかね?おふたりの満面の笑みが可愛いです。
2階のロビー。とても広々としています。大広間がありましたが、買ってきたものをそこで食べたりはできないとのこと(HPには食事で使えると書かれていましたが、実際は不可)。
ロビーには漫画もたくさん置かれていました。新聞(福島民友という地元紙)もありました。
今回私たちが宿泊したお部屋は、3階にありました。全5室のうち1室が2階に、4室が3階にあります。エレベーターがないため、移動が少し大変かもしれません。
「宿・あたご屋」のお部屋
お値段以上に豪華なお部屋!
302号室、「松風」のお部屋です。
座卓と椅子のある8畳間に、布団を敷いて寝る6畳間、広縁がついたお部屋。3人で宿泊したので、十分過ぎるほどの広さ。
Wi-Fiも利用可能。快適な速度でした。
ここにも可愛らしい生け花が飾られていました。棚の中に、人数分のバスタオルとフェイスタオル、歯みがきセットが用意されていました(HPにはバスタオルなしと書かれていましたが、実際はありました)。
浴衣や羽織はないので、パジャマを持参する必要があります。
布団は自分で敷きます。子ども達が、早くダイブしたいばかりに、いそいそと敷いてくれました。
広縁に洗面台と冷蔵庫がありました。タオルかけがあるのも嬉しい!使った後のバスタオルを干せます。
冷蔵庫の上に温かいお茶を飲むためのセットが、冷蔵庫内にペットボトルのお水がありました。
広縁の一部は中庭のようになっていました。豪華。
お部屋の中にお風呂とトイレはありません。☝は共用のトイレ。ウォシュレット付きできれいでした。
「宿・あたご屋」のお風呂
2つのお風呂に貸切でゆっくり入れます♪お湯は熱々!肌になじむ良いお湯です
お風呂は2階。階段を降りて向かいます。
お風呂入り口。男湯が「縄文の湯」、女湯が「弥生の湯」。内湯のみで、露天風呂はありません。
どちらも貸切で入れます。入る時は、木の立て札をひっくり返して「入浴中」にしてから、とのこと。
というか、貸切なので男湯・女湯の区別はいらないかも。実際、チェックイン後に女湯に入ろうとした時、「まだお湯が全部たまってないから、よかったら男湯に入って」と言われました(^_^;)
結果的に両方の湯を楽しめたので良し。
縄文の湯
脱衣所とカラン(2つ)はこんな感じ。2、3人で快適に入れます。
湯舟も3人くらいまでゆったりと入れる大きさ。
源泉かけ流しの、無色透明なお湯。
弥生の湯
脱衣所とカラン(1つ)はこんな感じ。ほぼ1人用。
1人でゆっくりお湯に浸かる贅沢を味わえます。
泉質
こちらの旅館を含め、飯坂温泉の泉質はアルカリ性の単純温泉です。無色透明で無臭。味は少し苦いらしい。
源泉の温度が約60℃と高く、お風呂のお湯の温度も高め。体感で45℃近くあったと思います(👇でご紹介する公衆浴場の湯温はもっと高い)。
「熱かったら水を足して入ってください」と言われましたが、まずは足さずに入ってみました。
半身浴で、両手もお湯につけずに(手のひらをつけると熱い!)、動かずに(動くと熱い!)、じっと入っていると、じわじわと体がお湯になじんでいきます。
だんだんと程よい温度に感じられ、そのまましばらく入ることができました。
子どもは加水してから…と思いきや、サクッと肩まで浸かっていました。なぜ平気なんだ…
近くにある公衆浴場
「宿・あたご屋」の近くにある公衆浴場にも行ってみました。
切湯 熱い湯のみ!難易度高し?
寛永元年(1624年)に発見されたという温泉。長い階段を降りて行ったところに入り口があり、ダンジョンみたいな公衆浴場です。
加水可能で、既にホースで少しずつ加水されていましたが、それでも熱い熱い!温度計は47℃を指していました…膝までで断念。
朝イチに訪問したこともあり、特に熱かったかもしれません。加水し続けた頃に行けばちゃんと入れるかも?
仙気の湯 ぬる湯もあります
発見された年は不明。入ると仙気(腰や腹)の痛みが和らぐことから、「仙気の湯」と呼ばれるようになったそうです。
熱い湯(約47℃)とぬるい湯(約42℃)の2種類があります。42という数字を見るとホッとする(それでも熱いはずなのに)。
食事は近くのお店で
夕食は「餃子の照井」円盤ひと皿、ぺろりといけます♪人気店!
飯坂温泉は円盤餃子も有名です。今回は、たくさんのお店の中でも評判の「餃子の照井」を訪問しました。
さすが人気店。お店の前に行列ができていて、けっこう待ちましたが、待った甲斐があると思うくらい美味しかった!
あっさりした醤油ラーメンも美味しかったです。神泡のプレモルに餃子とラーメン、最高♪
朝食は「そばひろ」良心的なお値段で美味しい蕎麦が食べられます♪
飯坂温泉で朝早くから営業している、唯一のお店と思われます。営業時間は7時から13時半まで。
「ひろすけ旅館」内にあり、旅館の朝食を宿泊者以外も食べられるようにしたそうです。
そば定食。これだけのボリュームで550円は嬉しい!どれも美味しかったです。
「旧堀切邸」つるし雛かざり
「餃子の照井」で待っている間、旧堀切邸で開催中のつるし雛かざりを見に行きました。
旧堀切邸は、元は豪農・豪商のお屋敷で、現在は国登録有形文化財に認定されています。
飯坂婦人会の皆さんが作ったつるし雛たち。美しい…
飯坂温泉のゆるキャラ、ゆげお君!はりきってる感じが可愛い❤
飯坂温泉のゆるキャラ、ゆげお君もつるされていました。好きな食べ物は円盤餃子で(それはそうだ)、太鼓の達人が得意だそうです。
まとめ
今回は、福島県福島市・飯坂温泉にある「宿・あたご屋」をご紹介しました。
良かったところ
- お部屋は広くてきれい。アメニティも一通り揃っている(化粧水や乳液はなし)。
- お風呂は2つの内湯を貸切で利用可能。
- Wi-Fiも利用可能。速度は快適。
- ご夫婦の対応は親切で丁寧。
留意点
- HPの記載と異なる内容(バスタオル無しとの記載だが実際は有り、食事で大広間を使えるとの記載だが実際は使えない)。
- エレベーターはないので、3階まで階段で移動する。
- 浴衣や羽織はなし。パジャマ要持参。
大きな旅館のようなきめ細やかなサービスはありませんが、ご夫婦は親切で、お部屋やお風呂はとても良かったです。
旅館の食事は多い…自分で好きなものを食べたいという方、リーズナブルな値段で気軽に温泉旅館に宿泊したいという方におすすめです。
コメント